巨大ヘルニア
巨大ヘルニアの定義は明確ではありませんが、ヘルニアが硬膜管より大きかったり、脊柱管の占拠率が50%以上のときに巨大ヘルニアと呼ばれています。
ヘルニアがあまりにも巨大になり脊柱管占拠率が90%を越えるようになると注意が必要です。突然、排尿・排便障害が生じ歩行も困難になることがあります。数日すると回復しなくなりますので緊急手術が必要ですが、このような事態は稀です。予防的手術になりますが、脊柱管占拠率が90%近くの人には症状が強くなくてもPED法を勧めています。
図7-①.L4/5 中心性巨大ヘルニア
20歳代 男性 主訴:左下肢痛 麻痺なし
巨大ヘルニア(赤印)により硬膜管(白矢印)は背側に高度に圧迫され、馬蹄状に薄く変形しています。
図7-②.左側からの経椎間孔法で手術しました。椎間板レベルのヘルニアを摘出後、L4椎体の背側に進入し(左上窓)、後縦靭帯の腹側にあるヘルニアも摘出しました(中央)。
図7-③.術後7ヶ月:ヘルニア(赤矢印)は十分に摘出され、硬膜管(白矢印)は拡大していました。
術後6ヶ月で下肢痛は完全に消失しました。