L5/S1椎間板ヘルニア

 L5/S1椎間板は腰椎の最も尾側にある椎間板で骨盤の中にあります。したがって他のレベルとは異なり、経椎間孔法では骨盤が進入の障害になりますので経椎弓間法の適応になることが多いです。しかし、この部位の椎弓間は他のところより広いですので、骨切除を要しないことが多々あります。

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図9-①.L5/S1 超巨大再発ヘルニア 
30歳代 女性 
主訴:左下肢痛 神経麻痺あり。

MRI T1強調画像で、ヘルニア(赤矢印)は脊柱管占拠率90 %以上で、硬膜管(右図白矢印)は右背側に高度に圧迫され、紙のように薄く小さくなっています。

 

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図9-②.前回と同じ部位を8 mmの皮膚切開を用いて経椎弓間法で手術。

左L5椎弓下縁の骨切除をわずかに行うと(右上窓 3D CT像の赤矢印)、すぐに巨大なヘルニアが見つかりました(中央の内視鏡視像)

 

 

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図9-③.術後2日に撮影したMRI T2強調画像では硬膜管(右図白矢印)は著しく拡大していました。

手術直後から下肢痛は消失し、術後3時間で歩行を開始。術後3日の退院時には麻痺も改善していました。