術後の血腫形成
術後に出血した血液が硬膜や神経根の上にたまると血腫になります。この血腫が神経を圧迫すると、疼痛などの症状が生じることがありますが、腰椎では稀です。
PED法では狭い閉鎖腔の中で手術しますので、頭側移動したヘルニアに対する経椎弓法や脊柱管狭窄症および頚椎椎間板ヘルニアに対する部分椎弓切除術など骨切除を多くした時に生じやすくなります。
症状は術後2週間以内に生じる可能性があり、とくに術後2 – 5日に生じることが多く、下肢の痛みや痺れ、さらに麻痺まで出現することがあります。
予防は出血するとすぐに止血することです。骨からの出血に対してはラジオ波凝固装置を用いて凝固するだけでなく、必要時には骨蝋を用いてしっかりと止血しておくことです。また、術後の排液用のドレーンも設置場所や抜去する時期が重要です。
治療は安静が基本ですが、麻痺が進行性の時には血腫の除去手術が必要な時があります。