頭痛

 硬膜が破れると、脳脊髄液が漏出し髄液圧が下がるため頭痛が生じやすくなります。一般に脳実質は脳脊髄液の中で浮かんでいる状態ですが、脳脊髄液が漏れると脳は自重により移動しやすくなります。そのときに立位をとったり、寝返りを打ったりすると脳が動くために頭痛が生じます。頭痛に伴い呕気、めまい、頚背部痛が生じることがあります。
 対策は症状が軽減するまで安静にし、点滴を多くして脳脊髄液を増やすことです。また、感染にも注意して発熱や項部硬直および意識障害などの髄膜炎症状の観察を行いながら回復する時期を待ちます。
 脳脊髄液が体外に漏れてしまいますと髄液漏になることもありますので、絶対に避けなければなりません。そのためにも硬膜損傷の修復は重要です。