ヘルニアの再発
今まで行われてきた方法もPED法も10%程度の再発が生じます。そのすべての人を手術するのではありませんが、手術をするときPED法には大きなメリットがあります。
1番目のメリットは骨切除量が少ないことです。もし、椎間孔から進入できるならば骨切除がほとんど必要ありませんし、経椎弓間法でも神経根の外側を展開するためにほんの少しだけ骨切除すればよいことが多いです。
2番目のメリットは再手術で避けられない癒着があまり気にならないことです。経椎間孔法で3回も手術された人がおられましたが、いつも1回目と同じように手術を行うことができました。しかし、経椎弓間法では癒着した神経を排除しなければなりませんので細心の注意が必要です。
図8-①.L4/5再発ヘルニア 20歳代 男性
4年前に左側のL4/5内視鏡下ヘルニア摘出術(MED法)を受けています。
左L4/5椎弓間が一部骨切除(赤印)され、椎間板間隙は狭小化しています(白矢印)。
図8-②.L4/5中心性椎間板ヘルニア(赤矢印)
右腰臀部痛のため救急搬送されました。麻痺あり
図8-③.右上窓:経椎間孔法で手術しました。
前回の手術と進入路が異なるため、癒着はなく初回手術とほとんど同様に手術できました。
中央:後縦靭帯を穿破して硬膜外腔に移動した巨大なヘルニアを一塊として摘出しました。
図8-④.術後3ヶ月:術後直ちに臀部痛が消失し、術後1週で退院。麻痺は術後1ヶ月で回復しました。