ガングリオンの刺激症状

 ガングリオンは後根神経節とも呼ばれ、下肢からの感覚の中継地点で、自らも痛みの発信源になり、多彩な痛みや苦しみを作りだすこともあります。多くは椎間孔内にあり、椎間孔部の外側型ヘルニアにより刺激を受けたり、手術時に神経根を排除したりするだけで症状が出現することがあります。また、MRIでは神経根が腫大した部位として見られますが(図11-①)、手術中にはガングリオンの判別はできません。
 症状は手術直後には出現せず、術後2 – 4日目から下肢の痺れ、痛みそして麻痺が出現し、次第に増強してきます。痺れ感は安静にしていても生じ、なぜると正座の後のようにビリビリします。足部が赤く腫れ、熱感が見られることもあります。
 治療は毎週硬膜外ブロックを行い、消炎鎮痛剤や神経障害性疼痛薬および抗うつ剤を投与して、なんとか症状が軽減するようにします。多くは3ヶ月ほどで症状は消失するようですが、症状が高度の場合にはさらに続くことも考えられます。